3.法的に有効でも税法上採用できなかった遺言書

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3.法的に有効でも税法上採用できなかった遺言書

2012年11月15日[更新:2019年7月22日]
法的に有効でも税法上採用できなかった遺言書

最近は「遺言書キット」なるものも発売され、誰でも遺言書を残しやすくなってきたと感じます。

実際に遺言書を残される方や、遺言書に関する問い合わせも増えています。

しかしせっかくの遺言書も、税法上の問題から放棄せざるを得ないケースがあるため、注意が必要です。

法的には有効な自筆証書遺言

残されていたのは自筆証書遺言で、家庭裁判所の検認も受けた法的に有効な遺言書でした。

相続人の皆様も被相続人が亡くなる以前から遺言書の存在を知っており、その内容(亡くなられた方の遺志)に従い、遺産を分割しようと考えていました。

遺産分割そのものには問題なし

家庭裁判所の検認後に内容を確認させていただくと、遺産の分割にかかわる文言が2行だけ書かれていました。

太郎に10分の6
花子に10分の4

自分の遺産をそれぞれ上記のように相続させるということでした。

法的には問題なく、書かれた内容通りに相続することは可能です。

そのままでは相続税が高くなる

しかし、相続税の申告の視点からこの遺言書を見ると、大きな問題が発生します。

遺産の中には不動産があり、それは相続人の一人である太郎さんが被相続人と同居していた家と建物でした。

もう一人の相続人である花子さんは結婚して実家を出たため、被相続人とは別居していました。

相続税法上、同居していた方が取得すると結果的に税金が安くなるという特例があります。

しかし、遺言書の通りに花子さんにも不動産を10分の4取得させると、その部分については特例が受けられず、相続税を多く納付しなければならなくなってしまうわけです。

遺言書には相続税の視点も大切

このように、遺言書としての要件は満たしているが、いざ相続税の申告をする際に問題が生ずることがあります。

遺言書をすでに書かれた方、また、これから書こうと思っていらっしゃる方は、相続税の観点からも内容を見直してみることをおすすめします。

※自筆証書遺言

遺言者が全文および日付、氏名を自筆し、押印した遺言書。

証人や立会人は必要でないため、誰もが簡便に作成できますが、紛失、変造などのリスクもあります。

遺言者の死亡後、家庭裁判所の検認をもって有効となります。

※事例につきましては、掲載時点での法令に則った内容となっております。

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